7年前に夫を亡くした妻と、夫の父との日常生活を描いたドラマ

「昨夜のカレー、明日のパン」という連続ドラマで、1回ずつ話が完結する内容。

夫の亡き後、7年もの間、義父と暮らし続ける20代のてつこ。同じ会社に恋人のような関係の男性もいるが、亡くした夫のこともまだまだ忘れることができず、同居する義父との生活も以前のまま。

最初に予告を見た時、ただの仲良し義理の親子のドラマという想像しかしていなかったが、2人を取り巻く近所、親戚、会社の仲間との日常がとても面白く描かれていた。

幸せに生きたい、成功したいと思っても、人間はふとした時から暗い部分を抱えることがある。どの家族でも、誰にでも、そういうことが訪れる。そうなったときに私たちは、悲観的にすべてが崩れ落ちたように受け取ってしまいがちだ。1つの暗い穴を、より大きな穴にしてしまい、元に戻れないと思ってしまう。

このドラマは、そんな人生のつまづきを正面からとらえ、「そんな時期もあるさ」と言ってくれている気がした。「だからまたやり直せばいいじゃないか」と。

華やかできれいな部分だけの人生なんてない。悩んだり苦しんだり憎んだり、そういう中でも笑う瞬間もある。不謹慎と思えることと隣り合わせているのが日常だ。

ただのアットホームなドラマではなく、滑稽なこともみじめなことも全部受け入れて生きていけばいい、そんなことをしみじみと感じさせられた。